ノンケミカルの落とし穴。ナノ成分が入った日焼け止めが海に与える影響を解説

学び

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環境のためにノンケミカル日焼け止めを選んでいる方もいるかと思います。

実はノンケミカルにも落とし穴があります。

それは、紫外線散乱剤をナノ化しているということ。

紫外線散乱剤をナノ化することで白浮きを軽減できるというメリットがある一方、海洋生物には悪影響であるという研究結果があります。

Ben
Ben

本当に環境にやさしい日焼け止めを選びたいな

この記事でわかること
  • 日焼け止めのナノ成分がなぜ問題なのか
  • どんな影響があるのか
  • 人の肌や体にも影響はある?
  • どんな日焼け止めを選んだらいいの?

環境にやさしい日焼け止めを選びたい人は必見!

見逃されがちなナノ成分について、詳しく解説していきます。

この記事を書いた人

地球と肌にやさしい日焼け止め研究家:Ben(べん)

  • 海・離島・自然・ダイビングが好き
  • 毎月新しい日焼け止めを試してます。成分について勉強中!
  • オリジナル日焼け止めを作るのが夢

日焼け止めのナノ成分は小ささゆえ問題に…

ナノ成分はその小ささから、一度海や下水へ流れ出てしまうと回収が不可能と言われています。

自然界に放たれたナノ成分が、生物に悪影響を与えると問題になっています。

Ben
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魚を食べることで人間にも影響がありそう

日焼け止めも年々進化し、ノンケミカルでも使いやすい日焼け止めが増えてきました。

環境に良いことをしたいと思って、ノンケミカルを選んでいる人もいるかもしれません。

注意したいのは、選んだノンケミカル日焼け止めにナノ成分が使われているかどうかということ。

そもそも “ ナノ ” とは?

ナノ(nm)とはとっても小さな大きさを表す単位。

どのくらい小さいのかというと、1ナノは1メートルの10億分の1という想像もつかないほどの小ささです。

ナノ粒子とは?|ナノ粒子ワールド

1ナノは、私たち人間の細胞よりも小さいサイズ。

ナノテクノロジーは化粧品の分野だけにとどまらず、医療やIT・電子機器分野など様々な分野で活用され、これから先さらに飛躍する分野といわれています。

Ben
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化粧品にも使われる「ナノマテリアル」は、100nm以下の物質をいいます

日焼け止めに含まれるナノ成分と役割

日焼け止めでは酸化亜鉛酸化チタンがナノ化されることが多いです。

酸化亜鉛と酸化チタンは紫外線散乱剤といわれ、紫外線から肌を守るための大事な成分。

Ben
Ben

紫外線散乱剤を使った日焼け止めは、ノンケミカルと言われているよ

例えば一昔前、ノンケミカルの日焼け止めは塗ると真っ白になってしまうものが多くありました。

Ben
Ben

そんな問題を解決するのが、成分のナノ化

酸化亜鉛や酸化チタンをナノ化することで、白浮きを減らして使い心地も良くなるという効果があります。

最近のノンケミカル日焼け止めでも、白浮きが気にならない商品は紫外線散乱剤がナノ化されていることが多いです。

ナノ成分の影響は海洋生物へ

サンゴに悪影響を与えない酸化亜鉛や酸化チタンがメインのノンケミカル日焼け止め。

さらにナノ化することで、使いやすさが向上して良いことづくめでは?と思うかもしれません。

ですが、ナノ成分が入った日焼け止めにもデメリットがあります。

ここではナノ成分がどんな問題になっているのか、解説をしていきます。

海や海洋生物への影響大

ナノ成分は目に見えないほど小さく、自然界に放たれたらすべて取り除くことは不可能。

海に直接入ったときだけではなく、シャワーで流した日焼け止めも、やがては海に流れていきます。

そして海に流れ出たナノ成分は、海洋生物の体内に取り込まれてしまいます。

Ben
Ben

マイクロプラスチック問題では、私たちは1週間に5gのプラスチックを食べているといわれています

Ben
Ben

それと同じで、魚介類をかいしてナノ成分を食べている可能性があります

ナノ成分が海洋生物にどんな影響を与えているのか、すべてわかりきってはいませんが、サンゴをはじめ生物の細胞を損傷させていると研究では言われています。

人体への影響は「心配な面もある」

研究では、無機系(酸化亜鉛や酸化チタン)のナノ粒子を肌に使っても問題はないと言われています。

つまり日焼け止めに入っているナノ化された酸化亜鉛や酸化チタンは、肌には透過しないということ。

ただ、これには注意点があり、健康な肌には問題がないということで、肌トラブルがあるところや毛穴を通して体内へ入ることもあるかもしれないということでした。

また、知らない間に口や鼻からナノ成分を摂取した場合は、直接体内に入るので肌とは違う結果になります。

Ben
Ben

ナノ成分は人の細胞よりも小さいので、細胞の中まで入ったり血管に入ることも考えられるよ

人に対しての安全性はすべてわかっているわけではないので、現在も研究が進められています。

Ben
Ben

国立環境研究所などがナノ粒子について研究しています

私たちができることはとても簡単

普段使っているものを、ぜひ環境にやさしいものに切り替えてみてください。

Ben
Ben

今使っているものがなくなりそうなときが切り替えチャンス!

私たちができることは主にこの2つ。

  1. ナノ粒子不使用(ノンナノ)日焼け止めを選ぶ
  2. 拭き取りクレンジングを使う

それぞれ詳しく解説していきます。

ナノ粒子不使用(ノンナノ)日焼け止めを選ぶ

日焼け止めで使われるナノ成分は、酸化チタンと酸化亜鉛。

こんな記載がある日焼け止めを選んでみましょう。

  • ノンナノ酸化亜鉛 or 酸化チタン使用
  • ナノ粒子不使用
  • ノンナノ

また、COSMOS認証ではナノ成分の使用を認めていないので、COSMOS認証済みがどうかを目印にしてみるのもわかりやすいです。

Ben
Ben

COSMOS認証済みかは、このマークが目印です

拭き取りクレンジングを使う

日焼け止めやメイクは洗い流さず、拭き取りタイプのクレンジングを使うという方法もあります。

洗い流すタイプではすべて下水へ流れていきますが、拭き取りタイプはコットンなどで拭いて燃やすゴミに出せるので海に流れ出るのを防ぐことができます。

Ben
Ben

肌への負担が少ないものを使いたいね

【まとめ】日焼け止めはノンナノを使おう

日焼け止めでは、酸化亜鉛や酸化チタンをナノ化することで、白浮しにくくしたり滑らかさを出したりするというメリットがあります。

その結果、一昔前に比べてノンケミカルでも使いやすい日焼け止めが増えてきました。

また、「ノンケミカルなら環境にもやさしい」と思って選んでいる方もいるのではないでしょうか。

実はここが落とし穴で、ノンケミカルでも環境にやさしくない日焼け止めがあります。

それがナノ化された酸化亜鉛や酸化チタンを使っている日焼け止め。

Ben
Ben

ぱっと見ではわからないところも注意

まだすべてがわかっているわけではありませんが、ナノ成分の影響にはこんなものが考えられています。

ナノ成分を使った日焼け止めの影響
  • 海や海洋生物への影響
    • シャワーからの排水を処理してもナノ成分は取り切れない
    • ナノ成分は自然界に放出されたら回収が不可能
    • 海洋生物の細胞に入り込む
  • 人への影響
    • 健康な肌に使う分には問題がないと言われている
    • ナノ成分を吸収した海産物を食べる
    • 口や鼻からの摂取による影響

私たちができることは、ナノ成分を使わないことがいちばんですが難しい人もいるかもしれません。

なので、できる限り自然界に流れ出ないようにすること。

個人でできるアクション
  • ナノ成分不使用の日焼け止めを使う
    • 「ノンナノ酸化亜鉛・酸化チタン使用」「ノンナノ」「ナノ粒子不使用」表示があるものを選ぶ
    • COSMOS認証済の日焼け止めを選ぶ
  • 拭き取りクレンジングを使う

ナノテクノロジーはいろんな分野で活用されて、新たな技術につながったり私たちの生活がより便利になったり、今後も期待されている技術です。

一方で、環境への影響や人への影響が懸念されています。

日焼け止めはノンケミカルだけではなく、ナノ成分不使用にも注目してみましょう。

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