紫外線吸収剤ってなに?

日焼止めの基本

「紫外線吸収剤 不使用」という表示、最近増えてきましたね。

紫外線吸収剤って聞くけど、一体なんなのか?疑問に思ったことはありますか。

この記事では、紫外線吸収剤がどんな働きをして、どんな影響を与えているのか説明していきます。

Ben
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日焼け止めや化粧下地など、選ぶ参考になれば幸いです!

紫外線吸収剤ってなに?

日焼けを防止する成分として紫外線吸収剤があります。

紫外線吸収剤は成分の総称。いろんな名前の成分があるのです。

最も代表的な成分のひとつが、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル

紫外線吸収剤が日焼けを防止する仕組みは、肌の上で化学反応を起こし、紫外線を熱などに変えるというものです。

紫外線吸収剤にはメリットとデメリットがあります。

メリット(プラスの側面)
  • 高い日焼け止め効果
  • 白浮きしない
  • 日焼け止めの使用感アップ
デメリット(マイナスの側面)
  • サンゴに悪影響を与える
  • 肌荒れする場合がある
  • 敏感肌・アレルギー・アトピー肌の人にとって刺激が強い場合がある

【参考】紫外線散乱剤の仕組みは?

紫外線吸収剤と比較される紫外線散乱剤。こちらの仕組みは、肌に届く紫外線を反射させることで、日焼けするのを防いでくれるというものです。

主な成分に、酸化亜鉛酸化チタンがあります。

Ben
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ミネラルコスメなどとも言われます

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の説明

今、紫外線吸収剤が問題になっている理由

紫外線吸収剤にはメリットとデメリットがあります。実はデメリット部分が、最近大きな問題となっています。

ここでは主に問題となっていることをご紹介します。

悪影響1 サンゴが死滅する原因となる白化現象を引き起こす

珊瑚の白化現象
白化した珊瑚

サンゴは動物ということをご存知でしょうか。

体内に褐虫藻かっちゅうそうを取り込み、光合成することで生きています。サンゴにとって褐虫藻は生きていくうえで、なくてはならない存在なのです。

しかし、紫外線吸収剤入り日焼け止めの影響を受けると、取り込んだ褐虫藻を放出してしまうことがわかっています。褐虫藻がいなくなったサンゴは白化し、光合成ができなくなり、しばらくすると死滅してしまうのです。

Ben
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白化の原因は他にもあって、温暖化など様々。白化した状態から回復もできますが、回復できなければ死んでしまうのです

実験では、紫外線吸収剤入りの日焼け止めを10万分の1に薄めた海水にサンゴを入れてみると、サンゴは白化してしまったという結果になったそうです。

毎年海に流れ出る日焼け止めは6,000〜14,000トンとも言われていて、この数字からサンゴが今どれほど危機にさらされているのかが想像できると思います。

Ben
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海は広いんだから、そんなに影響ないのでは?と思うかもしれませんが、成分は滞留しやすいそうです。あるポイントでは、あまり検出できなくても、人気の海水浴場では大量に検出されるということが起こります

悪影響2 サンゴの赤ちゃんに奇形が起こる

紫外線吸収剤は、サンゴの赤ちゃんにまで影響を与えることがわかっています。影響を与える量は、オリンピック競技用プール(50mプール)の6.5個分にたった1滴分の日焼け止めとも言われています。

奇形を起こしたサンゴは長くは生きられず、新しい珊瑚が育つことがありません。

悪影響3 サンゴだけでなく他の海洋生物、人間にも影響を及ぼす

サンゴは海の土台です。

サンゴは小さな魚たちの住処となり、その魚たちを餌にする大型魚がいます。サンゴがいなくなれば、小さな魚たちが暮らす場所はなくなり、大型魚も食べるものに困り、生きていくのが困難な状況に陥ります。

つまり、生態系のバランスが壊れてしまうのです。

また、サンゴが光合成することで、海水中に酸素を送り出しているという役目も。サンゴが生き生きと生息しているのは、豊かな海である証拠にもなっているのです。

Ben
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サンゴが弱っていっているということは、海のバランスも崩れているということ

私たち人間にも、健康被害や食糧不足の問題が出始めているということは、海の生態系が崩れていることに大きく起因していると言えます。

Ben
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昨今の海面上昇や温暖化で弱ったサンゴに、日焼け止めのダメージが追い打ちをかけているとも言われています。近年、沖縄のサンゴが大規模な白化現象を起こしています

サンゴを育て続けるためには、海中に有害な日焼け止めを少しでも流さないことが大事です。

また、紫外線吸収剤に焦点が当てられていますが、他にも環境に悪影響を及ぼす成分は沢山あります。

そのひとつが、ナノ化された成分

安心と思われがちな紫外線散乱剤(酸化亜鉛など)も、ナノ化されてしまうと環境にとって悪影響になってしまうのです。

商品を選ぶときはナノ化されていないかどうか、ぜひ確認してみてくださいね!

私たちにできることは?

海と女性

海外では日焼け止めの規制が始まっています。

〈日焼け止めの規制がある国・地域〉

  • ハワイ
  • パラオ
  • タイ
  • フロリダ キーウエスト

日本では国をあげての規制がありません。

でも、私たち一人ひとりができることがあります。

それは、現状を知り、自然に優しい日焼け止めを選ぶこと。それが結局は自分自身にも返ってくると思っています。

一人ひとりにできること
  • ノンケミカル日焼け止めを使用する
  • 生分解性(自然に還る)の日焼け止めを使用する
  • ナノ化していない商品を選ぶ
  • Reef Safe、Reef friendly、beach friendly 等の記載がある日焼け止めを選ぶ
Ben
Ben

ノンケミカル日焼け止めを使用することは、人にとっても肌トラブルを避けることができるのでおすすめです!

【まとめ】紫外線吸収剤ってどんな成分?

珊瑚

紫外線吸収剤は日焼け止めのメイン成分であり、その仕組は、肌に届く紫外線を化学反応によって熱に変えるものです。

日本でよく使う紫外線吸収剤は、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルと表記されています。

紫外線吸収剤にはメリットとデメリットが存在しています。

メリット(プラスの側面)
  • 高い日焼け止め効果
  • 白浮きしない
  • 日焼け止めの使用感アップ
デメリット(マイナスの側面)
  • サンゴに悪影響を与える
  • 肌荒れする場合がある
  • 敏感肌・アレルギー・アトピー肌の人にとって刺激が強い場合がある

昨今、デメリットの部分が大きな問題になっています。

特に、海の生態系を崩す原因となっていることは見逃せません。

私たち一人ひとりにできることとして、

一人ひとりにできること
  • ノンケミカル日焼け止めを使用する
  • 生分解性(自然に還る)の日焼け止めを使用する
  • ナノ化していない商品を選ぶ
  • Reef Safe、Reef friendly、beach friendly 等の記載がある日焼け止めを選ぶ

また、環境問題に少しでも目を向けて行くことも大切です。

Ben
Ben

一人ひとりの意識が少しずつでも変わっていけば、いずれ大きな力になりますね♪