最近のコスメ業界ではオーガニックがトレンドになっていますが、日焼け止めでも同じように“オーガニック”を売りにした商品が登場しています。
さて、“オーガニック”と“ノンケミカル”の違い、あなたはご存知でしょうか?
似ているようで実は意味が異なる2つの言葉。
その意味を知ることで、あなたが求める日焼け止めを見つけるヒントになるかもしれません。
広告やイメージに惑わされず、あなたに合う日焼け止めを見つけるため、ぜひ違いを知ってみてくださいね。
“ノンケミカル” と “オーガニック” は同じ意味?
日焼け止めに関しては、紫外線吸収剤を使用していないものを “ノンケミカル” と言います。
一方、“オーガニック” は自然由来・植物由来の成分を配合した製品。
そのため、紫外線吸収剤を使用していても、植物由来成分や天然由来成分が少しでも入っていれば『オーガニック』と記載したり、商品名に入れたりしていたりします。
さらに言うと、『無添加』もまた別の定義がありますが、ここでは割愛。

オーガニックやナチュラルさを連想させる商品名でも、成分を見ると程遠い・・・なんてことも多々あります

「オーガニック」と書いてあるから肌にやさしそうと思って選んだのに、そんなことなかった!という商品は多々あり。
ただし、化粧品の分野ではノンケミカル、オーガニックともに法的な定義や決まりはありません。
“ノンケミカル”ってどんな日焼け止め?
紫外線吸収剤の代わりに紫外線散乱剤を使用しているものを主に “ノンケミカル” といいます。
また、最近では紫外線吸収剤不使用に加えて、パラベンや合成着色料、合成香料、石油由来成分なども配合しない、低刺激な日焼け止めが増えています。

とことんお肌に優しい日焼け止めを使いたいなら、ノンケミカルをおすすめします
▼ノンケミカルのさらに詳しい解説はこちらより▼
“オーガニック” の定義とは?

“オーガニック” という言葉は、コスメをはじめ野菜やくだものなど様々なものに使われています。
オーガニックとは、「有機」という意味
農薬や化学肥料をつかわない栽培方法で育てた野菜、くだもの、それらを使ったコスメで “オーガニック”といいます。
しかし、日本でオーガニックコスメの法的な基準はありません。(※独自で基準を定め認証している企業や団体あり)
そのため、主成分が石油由来のコスメでも、自然由来・植物由来成分が1つでも入っていれば「オーガニックコスメ」として販売している商品は多く存在します。
もちろん使用している原料の産地や、農薬・化学肥料の使用についても基準はありません。
なんちゃってオーガニックを選ばないために
本当に信頼できるオーガニックコスメを選びたいとき、何で選べばいいか迷ってしまうことはありませんか?
海外では公的な認証機関があるため、それらを参考にしてみるのをおすすめします。

特にヨーロッパではオーガニックに関する意識が高く、様々な認証機関があります
認証を受けるには厳しい基準をクリアしなければいけません
ここでは、化粧品に記載されているもので有名な認証マークを紹介します。
主な海外の認証マーク

ECOCERT(エコサート)
フランス・トゥールーズ(フランス第4の都市)に本部を置く国際的な認証機関。
設立は1991年、現在では世界各地に拠点があり、世界最大規模のオーガニック認証機関となっている。
化粧品に関しては、欧州統一基準のCOSMOS認証を取り入れ、オーガニックコスメの認証を行っている。

USDAオーガニック
アメリカ農務省による認証制度。2002年からスタート。
コスメに限らず、農産物・畜産物・アルコール類やタバコ・繊維も含む。日本の有機JASマークに近い。
独自の厳しい基準を設けている。

COSME BIO(コスメビオ)
フランスで2002年に協会として設立される。
過度や虚偽の広告から消費者を守り、オーガニックコスメの正しい選択ができることを目的としている。
引用:COSME BIO公式

NATRUE(ネイトゥルー)
WELEDAなどドイツの主要6メーカーが2007年に設立。
様々なオーガニックコスメの基準が創設されてきたが、オーガニックコスメのより良い規制や、これまで補えなかった部分をカバーする新たな基準となるべくスタート。
ヨーロッパだけでなく、世界各地にも展開している。
引用:NATRUE 公式ページ
なんちゃってオーガニックを間違って選ばないようにできることは、海外の認証マークを参考に商品を選ぶこと、また、産地や製造方法がしっかり明記されているメーカーを選んでみるのもひとつの方法になります。
補足:日本の認証マーク

有機JAS
農林水産省が認めた第三者機関で検査を行い、認証された無農薬野菜や、それを使用した飲料や加工食品にのみ有機JASマークをつけることができ「オーガニック」「有機」と記載することができる。化学肥料や農薬不使用など厳格なルールがある。

日本の化粧品分野において、オーガニックの明確な定義や、法的な認証はないのが現状です
【注意】オーガニックコスメの勘違い「すべて肌に合う」答えはNo!
オーガニックコスメでよくある勘違いが、「肌にやさしい」「肌に合う」ということ。

その答えはNo!
自然由来・植物由来のため、人によってはアレルギーやかぶれを起こしてしまうことがあります。
化学成分でできた化粧品は、成分を安定させ長期保存ができたり、肌荒れを起こしにくくすることができたりするという側面があります。
ケミカルのすべてが “悪” ということではありません。

たとえば旅行で化粧水をもっていくとき。
冷蔵庫に入れておかないとすぐに腐ってしまう化粧水では、持っていけないですよね
まずは、自分の肌に合わない成分は何なのか?それを把握することが、自分にぴったりの商品を見つける第一歩かと私は考えています。
まとめ:オーガニックとノンケミカルは別
“オーガニック” と “ノンケミカル” の違いは、
- オーガニック:自然由来・植物由来成分が入っているもの
- ノンケミカル:紫外線吸収剤を使用していないもの
また、日本の化粧品分野ではどちらも法的な決まりはありません。
自然由来・植物由来成分が1つでも入っていれば「オーガニック」と記載している商品は多く存在しています。
本物のオーガニック商品を選びたい方は、パッケージの謳い文句や商品名、広告のイメージだけに惑わされないことが大切。
海外のオーガニック認証がある商品を選んだり、自分自身でも調べてみることをおすすめします。

これから化粧品の分野でも、一定の法律ができればいいですよね!