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ここ数年でノンケミカルタイプの日焼け止めが増えてきました。
ノンケミカルというのは、紫外線散乱剤を使用した日焼け止めや、UV効果のある化粧下地のこと。
鉱物や非鉄金属を原料としているので、
ミネラル成分とも言われています
紫外線散乱剤には、
- 酸化亜鉛
- 酸化チタン
- 酸化鉄
があり、それぞれに特徴があるのをご存知でしたか?
特徴を知れば、「ノンケミカルで肌荒れする」「白浮きしてしまう」というお悩みも解決!
ノンケミカルを使いたいのに、肌荒れしてしまう〜(泣)
という人もいますよね
また、「次世代型の紫外線散乱剤」といわれる、酸化セリウムについてもご紹介します。
日焼け止め選びの参考になればうれしいです!
酸化亜鉛のメリット&注意点
亜鉛溶液または、鉱物の亜鉛から作られる。白い粉状
【メリット1】紫外線防御剤の優等生
酸化亜鉛はUVAとUVBどちらもカバーできる成分。(対応する波長は280〜400nm)
肌の奥まで届くロングUVAも防ぐ効果があります。
実は酸化亜鉛が最もUVカット効果が高いと言われ、個人的には紫外線防御剤のなかで優等生だと思っています。
【メリット2】酸化チタンと比べて白浮きしにくい
酸化チタンと比べると白浮きしにくいと言われています。
その理由は、酸化チタンよりも透明性が高いことと、酸化亜鉛は酸化チタンよりも少ない量で高いUVカット効果が得られるからです。
酸化亜鉛と酸化チタンは、どちらも白色の着色目的で使われることもあるよ
酸化亜鉛はたくさん入れなくてもUVカット効果が得られるので、日焼け止めの使用感を損なうこともなくなります。
【メリット3・4】肌と海にやさしい
酸化亜鉛は、以前から子供用や敏感肌用の日焼け止めによく使われてきました。
紫外線吸収剤に比べて肌にやさしいため、肌に負担が少ないものを使いたい方におすすめです。
また、海洋生物にとっても安心な成分。
酸化亜鉛は、環境に配慮した日焼け止めによく使われています。
【注意点1】ナノ化した酸化亜鉛は避けよう
ナノ化とは、成分をナノサイズまで小さくしたことで、1ナノ(nm)は髪の毛の10万分の1という小ささ。
酸化亜鉛はナノ化することで、さらに白浮きしにくくなり、使いやすさも向上します。
一見良さそうですが、ナノ化した成分は環境への悪影響や、人への健康面でも問題視されはじめてきました。
これらの問題点は、すべてナノという小ささが原因。
人間の皮膚組織よりも小さいため、どんな影響があるのかわからないものが体内に入りやすくなってしまうのです。
また、家庭から排水されたとき、小さすぎて浄化施設では処理できません。
そのまま川や海に放流され、回収は不可能です。
マイクロプラと同じ問題だよね
日本ではナノ化についての決まりはありませんが、EUやアメリカでは法規制が始まっています。
今できることは、ナノ化していないことを記載している日焼け止めを選ぶこと。
【注意点2】金属アレルギーの人は肌トラブルが出る場合も
酸化亜鉛に含まれる不純物や、酸化亜鉛が皮脂と混ざることでアレルギーを発症する場合もあるといわれています。
ただし、金属アレルギーの人がみんな合わないわけではないよ
日焼け止めにふくまれる酸化亜鉛は、通常コーティングされているため直接肌には触れていません。
私自身も金属アレルギー体質ですが、酸化亜鉛が入った日焼け止めでも問題なく使えています。
ノンケミカルをつかっているのにかぶれたり荒れた経験がある人は、もしかしたら酸化亜鉛の影響もあるかも。
ひとつの可能性として覚えておいて損はないと思います。
酸化亜鉛のオススメ日焼け止めは?
サンゴに優しい日焼け止め
SPF/PA | SPF50+ / PA++++ |
容量 | 14g / 44g |
ウォータープルーフ | ◯ |
石けんオフ | ◯ |
紫外線散乱剤 | 酸化亜鉛(ノンナノ) |
テクスチャ | バームタイプ |
特徴 | 全成分9つのみのシンプルな日焼け止め。合成成分ゼロ |
沖縄発の日焼け止め、サンゴに優しい日焼け止めは、全成分9つのみというシンプルな日焼け止めです。
その9つの成分も、植物油脂やミツロウ、精油となっていて石油由来成分や合成成分は一切使用していません。
また、酸化亜鉛もナノ化していないため、環境にも優しい日焼け止めになっています。
サンゴに優しい日焼け止めの詳しい紹介はこちらの記事でご紹介しています。
酸化チタンのメリット&注意点
日本酸化チタン工業会
ルチルやイルメナイトという鉱物から製造。白い粉状
【メリット1】酸化亜鉛より肌トラブルを起こしにくい
酸化チタンのほうが、金属アレルギーの人でも使えると言われています。
【メリット2】UVBへの効果が高い
UVBとは、日焼けたときに赤くなってヒリヒリさせる紫外線のことです。
酸化チタンはUVBに対して効果が高いと言われています。
海など強い紫外線を浴びるときに良いですね
【メリット3】海にやさしい
酸化チタンも紫外線散乱剤のグループに入り、酸化チタンを使った日焼け止めはノンケミカルと言われます。
海にやさしい日焼け止めとしておすすめ。
【注意点1】酸化亜鉛より白浮きしやすい
酸化チタンは、白色顔料としてファンデーションにも使用されています。
実は食べ物にも白色の着色目的で使われているんだよ
そのため、どうしても白浮きの元になってしまいます。
最近は酸化チタンをナノ化することで白浮きを抑えている場合もありますが、ナノ化した成分は酸化チタンに限らずおすすめできません。
ナノ化した成分がどんな悪影響を与えるか、まだはっきりわかっていないのです
酸化チタンを使いたいけれど白浮きが気になってしまう方は、こんな選び方がおすすめです。
【注意点2】ロングUVAへの効果が低い
酸化チタンはロングUVAへの効果が低いと言われています。(対応波長は280〜350nm)
ロングUVA(波長340nm以上)は、皮膚の深くまで届きじわじわとダメージを与えてくる紫外線。
紫外線の75%はロングUVAだよ
ちなみにアメリカではロングUVAへの注目度が高く、アメリカ製の日焼け止めでは酸化亜鉛が使われていることが多いです。
酸化チタンのオススメ日焼け止めは?
ヴェレダ エーデルワイスUVプロテクトミルク
SPF/PA | SPF38 / PA++ |
容量 | 50ml |
ウォータープルーフ | ✕ |
石けんオフ | ◯ |
紫外線散乱剤 | 酸化チタン |
テクスチャ | ミルクタイプ |
特徴 | 100%天然由来成分使用 ネイトゥルー認証を取得している |
塗っても不自然に浮くことがなく、化粧下地に使ったりメイクをしない日の日焼け止めとして幅広く活躍する1本。
アウトドアで使うには不十分なので、日常使いでオススメとなります。
2024年2月にリニューアルし、新しくなったエーデルワイスUVプロテクトミルクをレビューしました。
詳しくはこちらからお読みください。
酸化セリウムのメリット&注意点
PR TIMES
セリウムという鉱物から採取
【メリット1】酸化亜鉛・酸化チタンの苦手を克服する
「次世代型の紫外線散乱剤」と言われているのが酸化セリウム。
酸化亜鉛や酸化チタンのデメリットである、たくさん配合すると白浮きしたり、使用感が悪くなったりするという苦手な部分を克服する成分として注目されています。
酸化亜鉛や酸化チタンを避けたい人にうれしいね
【メリット2】広範囲の波長をブロックする
UVA・UVBだけでなく、ブルーライトの光もブロックすると言われています。
【メリット3】光触媒作用がほとんどない
酸化セリウムは、肌の老化を引き起こす活性酸素を発生させません。
酸化亜鉛や酸化チタンもそのままでは光触媒作用を起こしますが、まわりをコーティングすることで光触媒作用を起こさないようにしています。
【注意点1】市販ではまだあまり売っていない
酸化セリウム単体での日焼け止めは、まだあまり売っていません。
酸化チタンの補助剤として、酸化セリウムが入っていることもあります。
【注意点2】高いUVカット効果がでにくい
酸化セリウムを使った日焼け止めは、SPF20くらいの商品が多いです。
ビーチやアウトドアで使うよりも、日常生活で使うほうが向いている成分といえます。
酸化鉄の特徴
鉄が酸化したものの総称
あらためて紫外線散乱剤と吸収剤の違いをチェック
比べられる2つの紫外線防御剤ですが、違いはこの通り。
紫外線散乱剤が日焼けをふせぐ仕組み
紫外線散乱剤は、肌に届く紫外線を物理的に反射させ日焼けを防ぐ仕組みです。
紫外線吸収剤を使用せず、かわりに紫外線散乱剤を使用したものをノンケミカルといいます。
肌に刺激が少なく敏感肌の人や子どもでも使えること、海で使ってもサンゴや海洋生物に害がないことから、最近は紫外線散乱剤が注目されてきました。
【参考】紫外線吸収剤が日焼けをふせぐ仕組み
紫外線吸収剤は、肌に届く紫外線を肌の上で熱に変換させることで日焼けを防ぐ仕組みです。
紫外線吸収剤については、こちらでも詳しく解説しています。
【まとめ】紫外線散乱剤それぞれの特徴
現在、紫外線散乱剤としてメインで使用されるのは酸化亜鉛と酸化チタンです。
片方のみ、または両方の成分を配合し、日焼け止めのメイン成分として使用されています。
酸化鉄は主に着色メインとなるので、日焼け止めに色をつけることが主な役割。
また、新しい成分として酸化セリウムが注目されはじめてきましたが、まだ市販で使用されるのは少ないようです。
「ノンケミカルで安心だと思っていたのに、なんか肌荒れするな〜」という方がもしいたら、実は酸化亜鉛や酸化鉄が合わないのかもしれません。
酸化亜鉛が合わないかもしれないのは、ひとつの可能性としてです
他に合わない成分があるかもしれないので、成分表をチェックしてみましょう
それぞれ成分の特徴を知って、あなたにピッタリのノンケミカル日焼け止めを選んでみてくださいね。